ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>シロ
(窓の外を見渡して何者の姿も見えないことを確認する。もしかしたらあの執事が換気に窓を開けたのかもしれない、しかし主人に無断でするだろうか? 焦る思考を落ち着かせながらできる限り冷静に部屋を出て、屋敷の中にあの白い影がないか探しに出る。着崩れた服も乱れた髪も気に留める余裕はなく、食堂や浴室、リネン室、客間、控室を回ったが、執事はおろか他の住人たちの気配さえ感じられない。まさかこれは夢なのだろうか?皆が皆、己の前から姿を消していく悪夢なのか?それならば早く醒めてほしいものだが、足裏に感じる床の感覚は確かなもので。普段活動的でない身体は長く歩いたせいで疲労を重ねていき、力なく長く伸びた廊下の中央でしゃがみこむ。ぽろり、靴の先に水が一滴落ちたのを見つめて呟いたが、寝起きにしてはあんまりな音が出た)
……シロ、シロ、どこにいるんだい…帰ってきてよ…。
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