ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(庭に降りて、特に行き場がある訳でもなく、夜もまだまだ明けそうにない…主人の為の時間は未だ続くのだ、と、そう嘲笑われている気すらする。庭の奥、今は使われていない小さな物置小屋にふらりと向かった執事は、小屋の中、ごろりと放置された麻袋の上に横になり。月も見えないが、朝が来たことくらいは分かるだろう、そうして目を閉じようとした矢先のこと…聞こえた主人の声に返事をしかけて、息を殺した。単純な話、見つからなければ、手が掛からなければ…餌になることも、痴態を晒すことも無く済む。これは、主人との狩りだ…そう言い聞かせて。乞われれば与える執事としての在り方と、餌になどなるまいと足掻く狼のそれが腹の奥底をグルグルするが仕方ない、血の足りない身体はまだまだ重く、そのまま引き摺られるように再び意識は眠りの底へ向かって)
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