ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>シロ
(自分は忠実な一人の執事を上手に扱う主人として、はたまた獰猛な狼を飼い慣らす吸血鬼として彼女を傍におきたいのか。ーー答えはNoだ。己が抱えているこの感情は、生物同士の戯れや喜劇では済まない、もっと真髄の話。彼女は利口だから、主人が傍に居ろと、お前を飼い慣らすのだと言えば丁寧に腰を折り頭を下げてしまうだろう。この館の中ではその一線を超え難い、ある種の呪いのようなものがある。ならば、せめて執事として、狼としての彼女を傍に置くことくらい許されないだろうか。額に感じた柔らかな感触に我に返り、ぱち、と大きく瞬きをして。ああ、心臓に悪い。ここでその唇にカトラリーを添えられるならばどんなにいいだろう。だが、すっかり彼女の毒で濡れた舌は、今は器用に動かすことは叶わない。いつかきっと極上の果実にありつけると言い聞かせ、ぽつぽつと紡ぐ言葉を彼女に。普段よりぎこち無い笑みもおまけにつけて)
ーーそうだよ、シロ。だからこれからも、俺の傍にいて、世話をして、ベッドから出てこない時は起こしに来て、時々こうして二人で食事をしよう…ね、シロ。
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