ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(どんなに興奮で塗り替えようとしても恐怖で伸びた爪が手元のクロスを引き攣って破く、足先が無意識に逃げようとテーブルの脚を蹴って片足の革靴が床に落ちた。てらてらと光る牙はさぞかし痛いのだろう、否、あの時の痛みは…けれど、狼を見る捕食者の目は欲に濡れて、まるでお菓子を強請る獣のそれ。廊下でこの執事を見る度に、執事の名前を口にする度に、だらしなく息を上げて空腹に呻くようになれば良い。この狼をただの食料だと侮ったこと、食べたこと、全部を後悔してしまえ…思考に飲まれて持ち上がる口角とは裏腹に、目は不安で揺れる。痛かったら、不味かったら、どうしよう…両腕を持ち上げて顔を隠し、震える唇で言葉を紡ぎ、)
どうぞ、召し上がれ…獣臭いと捨てないでくださいね
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