ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(お利口だなんて言葉が脳内で小馬鹿にされたように響くのに、犬としての本能がそれを嬉しく受け取るものだからやるせない…逃げてしまおうと思ったのに。背後で響く金属音と衣擦れの音に返事をせずに扉を開け、外へ。ぱたん、と扉を閉じ…逃げ出したい、だってあの鬼は狼を食べる、あの時の甘い声が怖い、けれど“主人”なのだ。思い出した痛みと熱、でも差し出す決断をしたのはこの…その場から逃げるように廊下を蹴る。頭がおかしくなりそうだった。暫く戻ってきていない住人の部屋へ飛び込んで、鍵をかけて座り込み顔を爪の伸びた手で覆う。シャワーが終わるまで時間がある、日が昇れば主人は眠る、それまで…きっと、あの主人は飽きてくれるはず)
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