ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(とんでもない、と唇を小さく動かして主人の顔に滲んだ笑みをガラス玉のような金色の瞳で見上げ、それからゆっくりと唇の端を吊り上げる。何処でどんな動きをしてもわかる、この主人の甘くて毒のような香りが、鋭敏な嗅覚を奪うし、物音は思考を奪うから。使用人として、主人の荷物を持とうと差し出した手が、手袋が、主人に触れるにはあまりに汚く見えて伸ばしきれずに、それでもこの汚れも、空腹も、主人の香りに麻痺しかけている思考も、シャワーを浴びれば全て水に流せるだろう。廊下の先を譲るように頭を垂れて)
お供しましょう、ご主人様。その寝惚け眼を覚醒させられるよう、冷水をご用意いたします
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