>シロ まさか。今日は労わらせてくれ、いつも世話を焼いてもらってる御礼も込めてね。 (お嬢様扱いはお気に召さなかっただろうか。自分が必要とされている事を分かっているだろうに、やはりこの使用人は意地悪を言う。ともあれそんな使用人にも結局甘えてしまうのは主人の性か悪い癖か。やっと生活音らしい二人分の足音が聞こえる廊下を歩き──やがて寝室に着けば扉を開けて「さあ、お入り」と。)