>シロ 犬に変な物を食べさせたら、ご主人様達に怒られるからなあ。 (長く月を覆っていた雲が通り過ぎ、差し込む鈍い銀色の光が床に描いた円はぐずぐずに崩れていて、未だ腹ぺこの犬が隠したつもりでいる食欲の覗く瞳と同じ。その犬がご主人様という単語に滅法弱いと知っていて敢えて話題に取り上げる、きゅっと細めた目で楽しそうに、まるで別の存在の話をするかのように白々しく言葉を紡いで。