ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(冷たい鼻先が触れて、鼻腔いっぱいに主人の香りがする。麻痺するように、堕ちるように、このまま主人の気配しか分からないまま朽ちるのも悪くないと思えるほどに。数秒間、周りの空気が凍ったように動きを止め、それは__それは、幻のような一瞬。痛みはない、ただ首が絞まるように言葉が詰まる感覚は首輪に近いものだ、息苦しくて心地が悪い、ただ突き飛ばすには惜しいもの。薄く持ち上げた瞼の向こう、黄色い瞳を覗かせて)
(/嗚呼、背後様!この5年という月日を共に過ごしてくださったことに心から感謝をいたします。多くの住人を迎え、見送ったシロにとって、ルイン様は時が止まった屋敷において一縷の光に違いありません。これからも、変わらず彼女は帰りをお待ちすることでしょうが、どうかご負担に思わずに気紛れに手を差し伸べてやっていただけましたら嬉しく思います。これからも何卒よろしくお願いいたします)
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