ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(空気に飲まれるとはよく言ったもので息を吐く音すらも邪魔に感じてしまうほどに、目の前の冷たい肉から香る匂いに脳髄が溶けそうだ。あと数センチも無い距離で此方を射抜く瞳の奥に見え隠れする静かな欲を己が覗きこめるのは、はきっと後にも先にも今限りに違いない…この一瞬だけ、主人はこの狼のものだ。それだけで言葉を差し出すには充分な価値がある。生意気であからさまな挑発を飲み込んで、余計なことは無粋だとでも告げるように、最後に一度だけゆっくりとまばたきをしてから、そっと瞼を下ろし、)
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