1 . 2017-02-16 23:18:38 |
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何時からここに居たのか分からないんだ。僕の本当の名前もあの子の本当の名前も、全部全部分からない。花だけが僕らの全てを知っている。この世界で、僕らだけが花の全てを知っている。
「 花が言うんだ。私ははやく消えないといけないって! 」
花がもうすぐ散る。その時僕らは、
「 どうなるんだろうね 」
【 語録 】
宿主 … 実験により頭に花が咲いた6人の少年少女の事。花により何かしらの能力を手に入れ、超人的な身体能力、治癒力を駆使して夢で戦う。政府により選ばれた彼らは身寄りのない孤児院での問題児であり、その中でも心に付け入る隙があるような不安定な子供たち。「 消えても良い 」 実験体として頭に花を移植し記憶を消され行けば最後2度と戻れぬ夢へと旅立った。意識を持つ花と合致し政府の予想以上の力を手に入れた彼らが望むのは、花共々消滅する事である。
花 … 宿主の頭に咲いたプラスチック製の花。その見た目は生花と何ら変わりはないが、硬度が高く些細な事では傷一つ付かない。プラスチックの花を頭に乗せて数日で根が全身に張り巡らされ、脊髄、骨、筋肉、毛細血管まで全てに絡むようにして宿主の内部にまで生息する。花が呼吸する際に作られる養分に驚異的な力があり、宿主に様々な能力を植え付けた。政府は知らないが花にも意識が有り、花と宿主の相性が合わなければ花が宿主の内部を破壊してしまう恐れもある。それでなくとも宿主の意識を乗っ取ったり操作する事すら容易である為、宿主である少年少女達は正に奇跡的に花と相性があっているということになる。時間が経つと根が内部だけでなく皮膚にも絡み、最終的には花が散ると同時に宿主さえも粉々にしてしまう。
夢 … 世界の掃き溜め。科学の進歩により生まれた得体の知れない実験体や突然変異した動植物、闇を生み出す根源など、世界各国がひた隠しにしてきた地球の塵が集められた場所。一説によるとロシアにある小さな穴から行くことが出来ると言われているが、特殊な機械がないとその穴さえ見つけられない様になっている。日本政府はここに宿主を送り込み生活できる程度に資源を送り、近々来るであろう戦争で 「 花 」 の実用化に向けて実験を続けている。
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