赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>帽子屋
(まず真っ先に煌びやかなアトリエという選択肢が潰えると、針だの鋏だの裁縫道具が散らばっている事くらいさすがに想像がつくが「何飼ってんだよお前の部屋。おっかねぇの」断固として拒む相手に不思議の国らしく中にドラゴンでもいるのかと軽口を叩き、呟きにつられて窓の外の森に目をやり。目が覚めた時はカランと晴れていた青空もあちこち歩き回っている内にその色合いを深め、今では瑠璃色ほどの青さの混じる夕空になっており。その中にぽっかりと浮かぶ暗い森は確かに探検しがいがありそうで、「ヒトを猛獣扱いすんなよな――でも良いや。どうせ靴履いてんなら外のほうが良いもんな」足を揺らし、紐の緩んだブーツをカポカポ言わせながら部屋に引っ込んだ相手へ納得してみせて。キャッチした上着をちょうどひんやりしてきた剥き出しの腕に引っ掛けた矢先、ただ石を入れただけの筒を突き出され怪訝そうに眉をひそめるがそれが本物の星のようにポウッと光り出せば「……星も捕まえられるのか、この国。欲しけりゃ城でも王様でも、星でも何でも手に入るんだなぁ」与えられた不思議な玩具に息を呑み、渡されたその中身を取ろうと筒をつついたり自分もガシャガシャ振ってみたり。夢中になるあまり何度か段差や相手の背中にぶつかりながら満足行くまで煌めきを見つめ。やっと視線を筒から離した頃には辺りはもう既に森の中。木々のせいで屋敷よりいくらか暗い景色に木の葉の擦れる音と鳥の声、得体の知れない音が響く世界をじぃと眺め、次いでぼんやり照らされた相手の横顔を眺めるとおもむろにピンと閃いて「――なぁ帽子屋。怖かったら手ぇ握ってやろうか」性格はともかく、彼の口調からして茂みから蛇でも出てくればキャーッと叫んで驚きかねない。そんな姿が脳裏に浮かんだからくっくと笑いを噛み殺しつつ、小馬鹿にした様子で膨れたポケットをコンコンとノックして)
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