赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>帽子屋
(他の大人ならガミガミ怒鳴るような自分の素行を面白いと笑っている時点で十分おおらかな人間と言えるはずなのだが、半ば寝言のような眠り鼠の言葉を否定しないあたりあながち厳しいというのは間違いでもないのかもしれない。散々弄れどもゲンコツの一つや二つどうということはない自分には今一ピンとこないまま、パチパチ響く拍手につられて立ち上がり改めて相手と共に邸宅を見て回る事にして。しかし家の中身よりも先に気になることが一つ。ここへ連れて来られた時と同様、木漏れ日にキラキラ輝く髪を追いながら「なぁ、おい」とおもむろに声を上げては「アリスはどいつもこいつも自由に家を選べるんだろ、鼠が言ってた。……って事は、この家ん中にも他のアリスがいるのか」元より自己中心的な性格故か、始めから彼は自分というアリス専属の案内人であり自分だけを厚遇しているものだと(そんな事は一言も言われていないにもかかわらず)思っていたが、ドアの向こうには同じように誘い込まれたアリスがうじゃうじゃいるかもしれない。そうだとしたら何だか面白くないと悪癖である独りよがりな部分を覗かせては憮然とした顔で足を止め「他のガキと仲良く暮らせとか。カウンセラーのクソババアみてぇな事言ったらそいつら纏めて追い出すからな」小児病棟的な共同生活が嫌というのもまた本音だが、つまるところ特例は自分だけだと言わせてみたい。そんな幼稚な甘えを不機嫌という棘で表現しつつ窓の向こうに人影を探してみて)
>眠り鼠
――あぁ、すぐキレて殴るからなぁ、アイツ。女王もそう言ってたっけか。ああいうババアをコーネンキって言うんだ、よぉく覚えとけよ。
(どうやら相手はゆったりした空気の膜に包まれているようで、凄んでみせても困るどころか驚きさえしないその様子に拍子抜けして前のめりになっていた体をどさっと背もたれに戻し。火遊びには物足りないが無礼講が良しとされているだけ魅力的と言えるだろう。不完全燃焼の悪戯心を注いでもらったばかりの紅茶で飲み干し、その途中相手がいやに勿体振った調子で隣の帽子屋の何かを語ろうとすれば何事かと自然と菓子を運ぶ手も止めて聞き入ってしまうが、それも結局ただただ眠りかけていただけとわかればそろそろこちらの気までぼんやりと抜けてきて。相手が頬を叩いたように、自分もしゃっきりと元のペースを取り戻すために最早ちょっかいに近い減らず口を叩きながら立ち上がり「忙しいのは御免だね――何たって俺は自由だからな。見たいモンがあれば見に行くし、無けりゃここでケーキでも食ってる。次は林檎とかバナナとか乗ってる奴も食わせろよ」今度はニッと年相応の笑みを浮かべて先ほど言われた言葉を得意げに繰り返し、またうつらうつらしている後ろ頭に"ご馳走様“の一言と横暴なリクエストを押し付けて彼のいる中庭を離れ)
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