赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>帽子屋、三月兎
(頭を撫でてくる大きな手にも一々目くじらを立てないくらいには慣れてしまい、もはや文句も言わずただ子供扱いへの不満から首を振って払いのけては草花を踏み付けながらずかずかと先へ進んでいき。やがて姿を現す屋敷の前に一番にたどり着いたは良いがどうやら中へは入らないらしく、結局誘われるまま相手について中庭に向かえば言葉通りふわりと甘い香りと薄いけれど品の良い香りが鼻先をくすぐって。しかし椅子に腰掛ける2人の姿に香りを楽しむどころではなく、とりわけ兎――の耳を生やした男という奇怪な姿にすっかり視線を奪われ立ち尽くし。向こうも自分に視線を向けてくるものだからしばし睨み合った後、入れ代わりに出て行く彼のガラスのような瞳ともう一度パチリと目が合えば「――じゃあな、あー、"三月兎“……?」傍らの相手に出会った時はその華やかに気圧されたが、今回は三月兎なる彼のふざけた兎耳に似合わぬ美しさに気圧されてぶっきらぼうに答えるのがやっとであり。絵の具塗れの背中が見えなくなるとその名を教えてくれたもう一人に視線を戻して)
>眠り鼠
鼠……なんだ、お前に耳は無いんだな。鼠の耳なんてあってもなくてもわかんねぇけど。
(あくびまじりにのんびり動く栗毛の頭に鼠の耳など生えてはいない。じっと凝視して確かめては安堵半分、先ほどの高揚が抜け切らないせいか落胆半分の溜め息を吐き。予想外の出来事にぎくしゃくした気持ちもゆっくりおっとりした動作を眺めていれば徐々に落ち着きを取り戻し、カップを掲げる彼を横目にテーブルに近づけば行儀悪くクッキーをつまみ「なぁ、お前とさっきの……三月兎もここに住んでるのか?帽子屋がさ、俺にもこの家に住んで欲しいって言ってんだけどさ。ここにいるってことはつまり、お前らもそうやってアイツに連れ込まれってことだろ?」カップの置かれた席へ既に我が物顔でどっかり座り、2枚3枚とクッキーを頬張りながら城での様子とは一転、わざと隣の帽子屋をからかうような言い方で眠り鼠とやらに賑やかしく話しかけ)
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