赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>帽子屋さん
そうね、折角こんなに綺麗だもの。一気に食べてしまうのは勿体無いわ。それに私一人が頂くのは気が引けちゃう。
(お城で出される料理も、どれも見事な物が多く、食べるのが勿体無いほど。勧められる事自体は嬉しく、そっと口許に微笑を乗せお礼を述べつつ、手にするのは芳しい香りのするクッキーを一つ。両手でそっと大事そうに持ち、心の中で恵みに感謝を示すと、サクッと音を立てて一口食べ。口に広がる甘やかな香りと、今迄味わったことのない美味しさに、驚きの余り目は知らずと丸くなり。次いで頬はゆるりと幸せそうに緩んで。「芸術家さんなのね。ふふふ、二人とも会えば直ぐに分かりそうね。ネズミさんとは一緒に寝てしまいそうだわ。」暖かな日差しに包まれ、トロリと満足そうに眠る姿が思い浮かべば、どこか遠くの記憶の彼方で幼い誰かと重なり。澄んだ空を見上げたあと、そっと目を閉じて暫しその余韻に浸り。目の前でポットから注がれる紅茶は温かな湯気を上げており、ふわりと舞う風が、すっと胸を和ませる香を運び。「ふふふ、私の方こそ素敵なお茶会に誘って下さって有難う。貴女に出会えて幸せだわ。」こんなにも優しいお茶会は彼女が居るからだろう。渡されたソーサーを片手に持ち、もう片方の手でカップを持ち上げると乾杯と、返事を返し。恐々と飲んでみた紅茶は何だか胸をぽかぽかさせ。沁みるように広がる温かさはまるで彼女の優しさそのもので。とても美味しい、と言葉にはせずとも細めた目はキラキラと輝き、喜びを隠せず。)
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