赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>帽子屋さん
帽子屋さんが一緒に来てくれて良かった。私だけならお店を見つけるだけでもきっと時間が掛かったもの。
(ここに来る以前だったなら赤が似合うと言われても心が弾むこともなかっただろう。しかし今となってはその言葉が想像以上に嬉しく感じ、相手が示す道を歩く足の動きも自然と早まって。何故赤がぴったりと言われただけでこんなにも満たされた気持ちになるのだろう。一瞬だけ思い浮かんだそんな疑問も店の品揃えを目にした途端心の隅に消えて行き、ここまで連れてきてくれた相手へ再度感謝しつつ並んだリボンに視線を滑らせ。「美しいの観点…」己よりもずっと付き合いが長い帽子屋でさえ彼の好みが掴めないのなら、自分はどうだろう。確かに記憶の中の三月兎が語る美は独特で、これまで芸術に触れた経験も数える程しかない己にそれが理解できるかと問われれば首を横に振るしかない。考えていたよりも遥かに難しそうな贈り物選びに頭を悩ませていた時、ふと目に留まったのは1つのリボン。彼の髪や耳と同じ色をした銀の生地に赤色で薔薇の装飾が施されたデザイン。シンプルで有りながらも美しいそれに少しの間目を奪われ、その後くいと相手の手を引きながら反対の手でリボンを指差し「帽子屋さん、私あれが良いわ。お手伝いなら何だってするから」渡した所で受け取って貰えるかは分からないがどうしてもそれを贈りたく思い、この後どれだけ大変な手伝いでも何時間だって手伝えると心に決めて相手を見つめ)
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