赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>赤の騎士
……うん、とても美味しいわ。さっくりと口当たりもいいし、間のクリームも滑らかで……きっと腕のいい職人さんが作ってくれたのね。
(否定も訂正もその唇が紡ごうとしないということは、自分の言葉は相手の中でも正しいものだと認識されたということだろう。自分から口にしたくせに酷く胸が痛むのはきっと否定して欲しかったからだろう、我儘で天邪鬼な自身の心の醜さを感じそっと抑え込むように奥歯を噛み締めればどうかこんな思いを悟られてしまわないように、そう願いながら口に含んだ菓子に対する感想をこの時ばかりは思いを込めることが出来ないまま吐き出して。「__そうだ、この後また少しばかりお手伝いをする約束をしてしまっていたの。どうしても時計だけは早くお渡ししたくて……申し訳ないのだけれど、お茶をひとしきり楽しんだらお開きにさせて頂戴ね」いくら塗り固めようとしても浮かべる笑みに内に秘めた汚い感情が滲み出ているような気がしてしまえば楽しいはずのお茶の時間も、紅茶を褒めてくれる相手とのひと時も過ごすほどに心に棘を刺していくように思え。咄嗟に口にしたのは思いついた限りの嘘、けれど慇懃でアリスの意志を尊重する彼ならば疑うことなく信じてくれると確信したからこその逃げ道で。少し渋い紅茶を口に含んでから申し訳なさそうに眉を下げて微笑みを浮かべれば形ばかりの謝罪に両手を胸前で合わせて)
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