赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>帽子屋
作品モデルと言うと……その名の通り、帽子屋を営んでいるのかい? 勿論、私に出来ることであれば何でも手伝おう。
(怪我の処置から話の尽きない楽しい道案内まで、こんなに世話になっている恩返しが出来るのならと些か胸を張り。「ああ、楽しみにしているよ。きっとあなたに似て華やかな香りのするお茶なんだろうね」こうして持て成して貰えるのはとても気分が良く、嬉しさで頬が緩みそうになるのを堪え相手の視線を追うように薔薇を見て。「こんなに美しい薔薇になら、惑わされるのも悪くないさ」まるで無邪気な子どもの様に動き回る蔦はどの角度から見ても美しいままで。冗句の様にそう言うと、時折近くにある花弁を今度は怪我せぬよう慎重に触れながら歩き進め。「城に、暮らすのか。この私が? 何だかむず痒いな……所作や何かを注意されやしないだろうか」辿り着いた扉は大きく、その先にどんと構える城はその名が示す通りの物で。はぁ、と眉尻を下げて人差し指で頬をポリと掻いてから、誘われるままに中へ入ると今度は相手が入るのを待つように扉を支え。「私にしてみれば、薔薇の機嫌を窺うよりも、でんと構えて動かない城の中を歩く方が難しいように思えるよ」果てしなく続いているように見える廊下の左右には同じような扉が幾つも在り、このどれを覚えれば良いのかすら検討も付かず。紳士が淑女の手を取るように、扉を支えていない方のそれを差し出し相手が中へ入るのを待ちながら冗談のような本音をぽつり零して)
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