長八寸三分の淡藤色　／　〆　　

嗚呼、８年経ったら亦改めて握手でもしとくか。お、そらァ随分とまあ頼もしさの極みだこと。そンならうんと御前の尽力とやらで楽しませてもらうとするさな。（　けたり。　）武器ねえ。譬えばこの食っちまいたいくらいもちもちの頰ッ辺とかか？（　揶揄うように頬摘み ／ むにり　）有難うな。不備もからみづらさもねえよ、偉い偉い。悪いが返事の頻度がどんと下がりそうだから上のほうだけ蹴らせてもらった。

あﾞ───、そんなことより今日の御八つは大福だぞ。
（　彼の小さな口許から同意の返答紡がれること待つ迄もなく図々しく入室し、後ろ手に障子閉じ乍ら周辺にて腰降ろし湯呑みと大福乗せた漆器置いてゆくが投げ掛けられた核心に彼にはすべて御見通しであること悟り両肩竦めつつそれを肯定することも否定することもなく親指と人差し指で大福摘み。まるで塞ぐかのように彼の唇へと大福ふにりと押し当ててみせて。　）