梓野一松 2017-01-02 20:13:57 |
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>十四松
ん?……そうだよ〜、お医者さん。おまけに十四松くんの先生のお兄ちゃんなんだよ、俺。だから似てんの。(屈託なく笑みを浮かべて正面から駆け寄ってくる患者が末弟の受け持ちであると気付いたのは自分自身が彼と面識があったからに他ならず。弟と仲が良かった過去の患者の様子をうっすらと脳内に描きながら、差し出された掌をゆるく握って握手を交わして緩やかに笑み。周囲に医療従事者の姿が見当たらない為、自己紹介を済ませた後も、未だ手は繋いだまま、冗談混じりに彼の言動を問うて)俺は、おそ松―――"初めまして"、十四松くん。ところで今一人みたいだけど、どうした?迷子になっちゃった?
>カラ松
……ちぇ、タイミング悪い。せっかく構ってやろうと思ったのに。(臙脂色の作業衣に珍しく白衣を羽織った姿で勝手知ったる院内を歩む。ふと前方に見慣れた背中を捉え、微かに喜色の色を滲ませながら弟に声を掛けようとするも、彼が病室に入ったことにより不発に終わり。つまらなさそうに唇を尖らせながら、弟が回診中の病室の扉に近付いたところでネームプレートに刻まれた氏名に瞳を瞬かせると、微かに表情を曇らせ)……あ、この部屋。そっか、アイツ…。
>一松
……えっ、ちょ、ちょっと君!(詰所に足を運んで構ってもらおうか等と考えながら廊下を歩んでいた折、ふと鼓膜を揺らしたのは足音とそれに追従する点滴のキャスターを転がす音。ついで、耳に届いた悪態に含まれた内科の単語に歩みを止め、声の主を確認しようと背後に向き直れば謝罪と共に青年が頭を下げた瞬間であり。彼が己を誰と勘違いしたのかは問い質さずとも明白であるが、それよりも目の前に広がる光景に呆気に取られ瞠目したのは数秒、すぐに笑みを浮かべて見せるとゆっくりと近付いて)そんな謝んなくたっていーぜ。……俺のこと、カラ松センセイと間違えちゃった?
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