語り部 2016-11-11 07:32:53 |
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>白雪様
――ふふ、勝手なお姫様ですね。早速生きてだなんて…でもそういう強引な人、嫌いじゃないですよ。
(自らの生死すらも自らの意思で決めることのできない曖昧な存在、そんな己にとってこの現状に戸惑うこともなくただただはっきりと生きたいと公言する相手の潔さは何だか眩しささえ感じてしまう程で。姫という位は相手の性格を考えるとギャップの強い物であったがその外的要因に左右されず揺らぐことを知らない意志は正しく国を従えるに足りる器だと田舎娘にさえ分かり。位の違いに引け目さえ感じていた己だが相手の意志を知ればそんな遠慮もある意味では相手に対する無礼だろう、急に相手の言う"友達"などと自らに自信を持つことはまだ今は叶わずとも少しずつでも相手の意志に自分なりの答えを出せる様に心中決意し。折角雄弁にも己の曖昧な意志をも受け入れる姿勢を見せてくれたというのに最後は年相応の少女のように崩れてしまう相手の言葉、それに思わず小さく笑みを漏らしながら先程まであった警戒心のような壁をひとつ取り払ったような、軽口にも近い言葉を口にすると踏み出した相手と肩を並べる様にその傍に駆け寄って。)
…私、お茶会なんて一度もしたことないんです。責任取って、ちゃんと教えて下さいね?
>死神さん
…死神さんは…ううん、何でもありません。ありがとうございます、死神さん。
(我儘を美点と感じている訳ではなくともこんな時口を噤んでしまう自分の気性に少しだけ自己嫌悪の念を感じていた最中、いよいよ再び訪れた浮遊感にぐっと奥歯を噛み締めていればその後襲った感覚は構えていたような腹部への微かな圧迫感ではなくしっかりと体を支えるような安定感であり。てっきり先程同様荷物よろしく抱えられるものだと思っていたにも関わらず現在の体勢はそれよりかは随分と人として扱われたような体勢、言葉を飲み込んでしまったのに此方の意思を酌んでくれたような体勢に思わず相手を見返すものの変わらぬ様子の相手の顔が窺えるだけで。此方の気を察してくれたのか単純に持ちやすい体勢を探した結果なのかは定かでなくとも考えてみればわざわざ荷物になる己を抱えてくれている時点で相手の心根が優しいことくらい感じ取れ。こんな時ばかり相手のその心根を確かめるような問いが口から洩れそうになるもののわざわざ言わない相手を見ればこの行為は無粋であると理解でき。他人のことは言えない自分だが中々に不器用な相手の気遣いに思わず嬉しさにふと笑みを零しながら体を支える様に相手の肩に軽く手を添えればせめてでもとお礼の言葉だけ残して。)
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