語り部 2016-11-11 07:32:53 |
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(/今晩は。当方、長考傾向にあるので出来上がったものから順々にupさせて頂きます! すみません!)
>>33 魔女
(淡い月光が照らす骸骨の白に目を奪われながら、本来動く事のない筈の亡者足る骸骨兵が腕を振り上げるとガシャン、と固体と固体が擦れる音が響き渡る。脆く細い骨で構成された五指が握るのは手入れもろくに行われていないのだろう錆びた剣。そして、その剣の矛先が向くとしたら間違いなく此方なのだと確かな確信が刹那の間に胸に芽生えた。緊迫した状況下に措いて鼓膜に届く聴覚的情報は目の前に立ちはだかる兵の一挙一動に注ぎ、その輪郭ばかりが明確で、背景となる景色は境界がぼやけており唯一の光源となる月だけが鮮明に写し出されている事が、私の精神状態によく似ている。死の淵から甦る白雪姫を幾度も演じ続けてきたのは伊達じゃない。何か、何か起死回生のチャンスがある―――そんな一抹の希望とはかけ離れて非情にも剣は勢いよく振り落とされて鋭く空を裂き、息を呑んだその瞬間。その希望は的中。聞き慣れた「彼女」の声に死を覚悟して強張った肩の力は徐々に抜けて行き、無意識下で止めていた呼吸を唇を開いて成せば胸を撫で下ろして常の笑みを表情に乗せ立脚して立ち上がる。状況を確認すべく首を左右に動かしてゆっくり辺りを見渡しても昨日までの御伽の国の面影はなく、目の前に広がるのは見るに堪えない惨状と鼻腔につく死の香り。識っていて、識りたくなかった現実に右手で右の頭を押さえれば溜め息を一つ吐き、ぐっと掌を握り締めれば持ち前の行動力と決断力故か決意を固めた表情で強く頷いて「ある方角」を指で指し示して)――っ、ありがとう。助かったわ。
…これが毒を塗った櫛や林檎だったら笑顔と二つ返事で済んだんだけど……どうやらそうもいかないようね。 あーー、もう!オーケー分かったわ、うじうじしていたって仕方ない! 行きましょう、まずは、この町から出ることを目標に。
(/接触ありがとうございます!!大人の魅力溢れる魔女さんに窮地を救っていただくなんて素敵なシチュエーション…** PLPCともども未熟者ではありますがよろしくお願い致します!)
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