書く人 2016-10-23 07:05:36 |
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女の子は、一息、「はぁ〜〜〜」っと、深いため息をつくと、憂鬱そうに立ち上がり、
とにかく、歩いてみようと思いました。
「せめて、羽根か翼があればな…」
そう女の子が呟いた、その時、
ぶわさっ
と、彼女の背中から、羽根が生えました。
いえ、生えたというか、元々あったけど、空豆の中で、折り畳まれていた羽根が、
空豆から出て、時間が経ったことで、自然と広がったのです。
「あー。あーーーー。
そういえば私、羽根あったよーな、なかったような。…」
記憶が曖昧な女の子は、とりあえず、羽根をばたつかせて、飛んでみました。
はじめは、うまくいかず、地面の上をピョンピョン跳ねる位でしたが、
ある時、うまく、吹いてきた風に乗って、空高く飛ぶことができました。
「なっ、なるほど!
飛ぶっていうのは、羽根がありゃ飛べるってもんでもないんだ
羽根を使って、上手く風に乗ることで、空を飛べるんだ!!」
女の子の顔に、はじめて、微笑みが浮かびました。
しかし、初めての素晴らしい空の旅も束の間、「ビュー」と少し強い風が吹いて、女の子は、落っこちてしまいました。
「うわーっ
厳しいーっ。」
女の子は、落ち葉みたいに、地面に落下して、コロコロ転がりました。
まぁ、生まれて初めて空を飛んだなら、こんなもんですよね。
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