焼きソーば 2016-09-12 03:19:13 ID:f9e4b1cb2 |
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「えー、我が学園に素晴らしき才能ある皆さんが来てくださったことに大変な感謝を……」
広いホールのような場所に、新入生が集められて現在入学式の真っ只中だ。
前の方ではアスラが講演をしている。
新入生たちは一度学校見学などで顔を合わしているのだが、私は別で昨日入ったからか、かなり注目を集めている。
中にはどっかの貴族の敵意ある視線も……
「それでは、第二十七回アスラ魔法学園入学式を、これにて閉式とさせていただきます」
アスラのその言葉と共に、生徒達は少し足早に外の廊下へと出て行く。
全員、入学式の後に発表されるランキング表を見るためだ。
これは入学前に検査されたステータスを基準にスタートの能力を総合的に並べたもので、生徒がお互いに切磋琢磨し合って実力を高めていくというもを目的に張り出されるものだ。
例えるなら、学校の学力順位だろうか。
そんなランキング表だが、一位の者は国から注目されるなんてこともしばしばあるため、上位になるのは結構重要なことだったりする。
さて、早速ランキング表の前に新入生は集まると、それぞれ歓喜や悲鳴をあげていた。
そんなかで栄えある一位に選ばれたのは……
一位 【カリン・イース】 ランクSSS+
当然のごとく私だった。うん、二位の人がA+なのでこれは異常だろう。新入生も「無理だわ」的な雰囲気をしていた。
授業は明日から始まる。生徒達は今日中に友達を作ったり店に必要な道具を買いに行ったりするそうだが自分はどうしようか迷っている。とりあえずアスラのところにでも行ってみようかな。あ、でも今職員会議中かー。
「うーん、とりあえず部屋に戻りますか」
特にやることもないし退却退却。変ないざこざに巻き込まれるなんて絶対嫌だし。
「暇だ……」
結構豪華なこの一人部屋にはやはりというか私しかいない。
ちょっと窮屈な寝室と風呂場は木のいい匂いがプーンと漂っている。
暇だ
実は既に入学式から二時間くらいは経っている。
時折配布された教科書を読んでみたりするのだが、いかんせん全くわからない。
あ、そうそう。この学校には【学生服】がある。男子は白のシャツの上に、季節によって上着をきたりセーターを着る。
女子は白のシャツに淡い色の短めのスカートでシャツの胸元には赤いパータイを着ける。こちらも男子と同じでセーターや上着を着ることもある。この服個人的には好きだ。元男子の自分が言うのもどうかと思うが、女子の制服の方がセンスがあるきがする。
さてさて、昼寝でもしようかなーと思ったところ、勢い良く部屋のドアが叩かれた。
「……………………めっちゃ音大きかったな……なんだろ?」
とりあえずノブの鍵穴から向こうを伺ってみる。うん、見えない。
これ、話さないといけないタイプですよね~。
「はい、なんでしょうかー?」
私がそう言うと、扉の前ではアタフタと慌てるような音が聞こえた。なんだ?
「えーっと、なんでし_____」
「こっ! この部屋はカリン様の部屋とお見受けしますっ!」
「あ、はい」
声的には女子の声……けど、一体なんの用だろうか。
「わ、私は【ユーラ・スレイユ】と申します! ひ、一つお願いがあるんです!」
……………………なんか面倒そうな感じなんですけど……
「えーっと、なんですか?」
ゴクリ。
「わ、私の……」
私の?
「い、いや私と……」
???
「と、友達になってくださいっ」
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…………
そっちかい……
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