焼きソーば 2016-09-12 03:19:13 ID:f9e4b1cb2 |
通報 |
(これからは一話ごとにタイトルをいれていきます。この小説、途中から視点がいったりきたりするんで……)
タイトル【お友だち?】
一応警戒しながらドアを開けると、そこには青い瞳を持った美少女が立っていた。
服は神官服のように白で、左右の腰には二本の刀を下げている。
「あー……まぁうん。特に何もないけど入って入って」
「あ、ありがとうございます!」
とりあえず害はなさそうなので部屋にいれてあげることに。
するとユーラと名乗った少女はおっかなびっくりと言った感じで部屋の中に入ってきた。
その後私がちゃぶ台のようなものをベットの横から私が取り出して水を並べていると、少女は正座をして固まっていた。
「あー……えーっと、ユーラさんだっけ。なんで私の所に?」
「は、はいっ! そ、それは……」
下をうつむき、拳を握りしめるユーラ。薄っすらと涙目になってる気もする。
「わ、私は能力が低かったりしてよくいじめられてたんです。この学校でもやっぱり最下位で、知り合いからいじめられて……」
なるほど。私はまだ初対面だから、もしかしたら少しでも仲良くなれるかもしれないと思ったのか。
「……で、でも……やっぱりカリン様は学校一位ですしそのぅ……お邪魔でしたら……」
ユーラはごもごもと小さく呟くように言った。人差し指を交わらせて顔を真っ赤にしている。
何これ可愛い。
「……っ……いや、全然邪魔ではないよ? というか、私も友達を作っとかなきゃと思ってたところだし……」
「…………へ?」
ぽかーん。そんな簡単に話が通るとは思わなかったのか、ユーラは唖然とする。
「いやいや、だからそんな事なら別に構わないよ。ランクが高い低いとか私にとってはどうでもいいことだし」
「え、えぇ、ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
ユーラは驚いたのか、大声で叫んだ。
「本当に……いいんですか……?」
ゆっくりと深呼吸しながらユーラは聞いてくる。
「うん。よろしくねー」
「本当にですか……?」
「うんうん」
私が首を縦に振った……と、その瞬間。
ユーラが突然大粒の涙を流し始めた。何事何事っ!?
「う、うぇぇん。うう、友達……になってくれる人、初めてできたよぉ……」
えっ、初めて!? 相当なぼっちじゃない!?
そんなことを思いつつ、とりあえずユーラが泣き止むまで待つことにした。
「さーどうするかなぁ。ユーラさんはどこか行きたいところでもある?」
「いえ……友達と行く場所なんて考えたこともなくて……カリン様はどうですか?」
「あ、その前に友達なんだから様を付けるのはおかしいって。もっと気軽でいいんだよ」
「そ、それでは……カリンさん……」
オーケオーケー。呼び捨てにするのはまた今度からでもいいだろう。とりあえずせっかくできた友達だし、親交を深めないと。
「……とりあえず外出届け出したりして街を歩いてみようか」
「わ、わかりましたっ! すぐに荷物を纏めて来ます!」
そう言うや否や、ユーラはものすごい速さで部屋から出て行った。
なんか、面白い子だなぁー。
トピック検索 |