Demonic 【非募集】

まるで俺に良心があるかの様な口振りだが、前提として悪魔にそんな感情は無い。
______、随分と積極的だな？
（ 柔らかな枕に身体を凭せ上体を起こすと、自分より高い位置にある相手の瞳を下から窺うように見つめ。話にのめり込むあまり気を向ける事が無かったが、薄ぼんやりとした灯りの所為で表情は薄らと陰影を含み、えも言われぬ端正さを持ち合わせており、何処と無く戸惑うように目を伏せる仕草は先程の冷淡な態度とはまた違う、年相応の人間らしさが垣間見えた様。ギシ、と木の軋む音で物思いに更けていた意識を今一度引き戻し。なんの警戒心も抱いていないのか、手の届く距離に佇む姿に、降って湧いた悪戯心。悟られぬよう何気無い返事すると、相手の腕へ手を伸ばし。触れるまであと少しの所でふと、頭に馴れぬ感触。悪魔は忌むべき存在であり、人が自ら触れるは以ての外で、咄嗟の事で僅かに身体を強ばらせ。戸惑うように視線を彷徨わせるものの、自分のした行いにも動揺した様子を視界に捉え。薄らと微笑みを浮かべると意趣返しに、伸ばしかけていた手で相手の輪郭をなぞる様に撫でると、揶揄うように目を細め。手を払われる前に最後、顎の裏を指先で擽ると手を離し、着ていたコートを脱ぐと無造作に床に脱ぎ捨て。ベットへ横たわると、与えられた毛布を抱き枕のようにして背き、重たい瞼を閉じ眠たげに呟いて。）
風邪なんて引かない。…、ああ。今日はとても疲れたから先に寝る。