Demonic 【非募集】

褒め言葉として受け取っておこうか。______ふふ、そう怖い顔して怒るな。…でもお前の憤った眼は嫌いじゃない。相手を射殺すような眼。
（ 相手から発せられる言葉の内に何処と無く漂う苛立ちに悪魔の嗅覚が反応しない筈も無く、溜息を尻目に一人ほくそ笑み。恐らく自分を酔わせあば良くば代償を軽くしようとしたのだろうが…何せ此方は悪魔。幾ら酔い潰れ弱っていようとも狡賢さは健在で。上手く相手を言い負かせた事に心地好い満足感に浸りながら素知らぬ顔で寝床への案内を急かそうと口を開きかけたその時。不意に肌が泡立つような感覚が身体を襲い、眼を僅かに見開き背後を振り向くと敵意を孕んだ視線を寄越す相手の姿。自分が若造と称した相手に不覚にも動揺した事に内心穏やかとはいかず、感情を流し所の無い侭に内幕に蔓延る感情を吐き出すかの様に細い溜息を一つ吐くと、相手に感情の乱れを悟られるよう誤魔化し笑いを挟みながら茶々を入れると其の侭大人しく部屋への案内に従い。通されたのは柔和な光に包まれた簡素で在りながら塵一つ無い手入れの行き届いた寝室。目の前の人物以外の気配を感じ無い辺り、此の部屋の掃除を行っているのは彼であろう。几帳面さが顕著に現れた此の部屋に珍しく素直に感心の色を浮かべ。___どうやらベッドを奪われた当人は部屋を出て行くようで。いい加減自分の立ち振舞に癖癖しているのは容易に見て取れる。その表情に悪戯心が顔を擡げ。そそくさとベッドに横になったと思えば、自身の横に空くスペースを掌で叩くと、然も愉快げに口を開き ）
…ふん。眩しいのが苦手であるが、特に実害は無い。
_____それよりも、だ。寝床を俺に奪われお前は何処で寝るつもりだ？…存外この寝床は広い。流石に俺が柔らかな上掛けに包まれて寝ている中、お前はその薄い毛布に包まって寝るのは此方としても心に閊えるものがある。…共に寝るか？