悪魔 2016-07-30 21:15:58 |
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俺が格下だと?喧嘩を売っているのか悪魔。前言を取り消せ。…だろうな。愛情に触れる事無く永らえてきたのなら戸惑うのも無理はない。( 頬撫で、離し )
無駄さ。今までに喚び出した悪魔は、俺に指一本触れる事さえ出来なかった。口を塞ぐなど以ての外だ。――ふ、唄ってやろうか。数千年は眼を醒ますことのない、最高の子守唄を。( 魔術書片手に、 )
良いわけないだろう。悪魔沙汰になった事件の火消しは、誰がすると思っている。
少し痩せたんじゃないか?( 顔覗き込み )…ま、元気そうな面が見られて此方も安心したよ。正直、忙しい中少しでも俺の事を気に留めてくれたのなら、お前には悪いが嬉しくも…ある。そうだな、毎日会っても足りないくらいさ。
耽美、か。何に美を感じるかは人其々だろうが、背徳的な思慕を募らせる純愛ものなら嫌いじゃない。主従関係や敵対する者同士の因縁関係…なんて、唆られないか?…ああ、いや。事実、わざとでこぴんを放ったからな。( ここで暴露 )――温度は感じられるのか。お前の肌は女のように白く美しいが、あまりに血の気が無い。まるで、死人の其れだ。( するりと手套脱がせ )…撫でられて喜ぶような歳でも無いがな。( くす )同感だ。時間に余裕があり、休みさえ合えば明け方まで語り明かしてみたいくらいには。…それにしても相変わらず褒め上手で。照れくさいやら、小恥ずかしいやら。――そうか。動き易くて助かる。
毒を喰らわば皿まで、だ。復讐のためなら、底無し沼にでも何でも身を投げる覚悟さ。…ああ、なら丁度良い。手始めにある者どもを血祭りに上げようと考えていたところだ。そいつらをお前の生贄にくれてやる。――しかし、契約を交わすには幾つか条件があるんだったか?
(人間の醜さが見え隠れする理屈では無い復讐心が自身を捨て身にさせるだけの意欲を駆り立てるなら、単なる死にたがりとも異なる何がしかの意思の宿る双瞳をやおらに細め返答。此方の事情を何も知らない魔物相手に理解を求めるわけでもないが、少なからず己を取り巻く状況は悪魔にとっても絶好の好機であることは確か。物騒な科白に案の定関心を示す様見て取るも予想に反して目先の利益に食い付こうとしない相手の意外な慎重さに酒漬けにするのみの一筋縄ではいかぬ手強さを実感し、契約を有利に運ぶ為の筋道を素早く思惟巡らせ模索しつつ先ずは生贄という名の餌を相手の前にぶら下げながら伺いを立てて。尊大な物言いの割に酒に対する耐性は然程無いらしく、当初の目論見通り相手の挙動にしばしば酔いの兆しを視認すれば、原価にして決して安くはない嗜好品が一夜にして消える喪失感を優越意識が補い、快く首肯したのち中身の減った相手のグラスにすかさず飴色の液体を注ぎ足し)
…そのくらいお安い御用だ。それに見合う働きを見せてくれるならな。
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