悪魔 2016-07-30 21:15:58 |
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おや、これは失敬。上級悪魔様ともなれば器もまた大きく寛大であるかと思っていたが…気に障ったか?( しれり )
まあ、最低限には。休みなど有って無いようなものだが。( 遠い目 )ほう?このクソ暑い時期に、出張とはまたご苦労な事だ。熱中症には気を付けろよ。熱さで悪魔がくたばるなど、洒落にもならないからな。…気遣いも嬉しいが、本当に身体は壊さぬよう。
いいや、照れていたじゃないか。擽ったい、と。――なんだと。確かに嗜虐を好む性格に自覚はあるけど、悪魔に悪魔らしいと言われてしまうとは……人間として反省するべきか?( 言いつつ振り払い )
アンタこそ、その物言い…余程名高い真名を持つ悪魔だとでも?
(静謐な空間に轟くテノールが、妖艶に鼓膜を震わせ。含みを持たすその台詞は召喚士としての興味を煽るもので、謎多き悪魔の正体が気掛かりであれば増すばかりの探求心からそう問い返さずにはいられず。一歩、また一歩と互いの距離が狭められる毎に早くも本能が警鐘を鳴らすと、余裕の表情から一転、優越に和らいだ頬が僅かに強張るのを自覚し、眉間に深い縦皺を刻んで。一触即発の交渉、悪魔とは対照的なまでに張り詰める神経。人間の弱みを見透かす貪欲な瞳を厭い避けるように不意に目蓋を臥せたのは復讐が図星であることを物語り、その一瞬が招いた不覚が手の触れる範囲内までの侵入を許してしまえば余りの素早い身のこなしに見開いた瞳が焦燥に揺らぎ。指先から伝う冷たさが唯一己を現実に引き戻すなら、無遠慮なその親指を噛み砕く代わりに手首をがしりと掴んで関節に逆らって捻り上げ、負けず劣らずの反撃を試みた上で手荒く振り解き。其の儘新たな間合いを作るよう、数歩後退った先にある燭台を机から再び掴み取っては、復讐劇の幕開けの予感に卑しく双眼を緩ませ。ともあれ話を続けるには余りに辛気臭い地下室。半ば辟易とした感情を表出すように大袈裟な嘆息を吐いて)
魔法陣も打ち破れなかったお前が、何を言うかと思えば。――だが、お前の欲するところが人間の魂にあるのなら、好都合だ。
…さて。では、そろそろ場所を変えても良いか。此処では息が詰まる。
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