悪魔 2016-07-30 21:15:58 |
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それが人間の本質というものさ。そして俺もまた例外ではない。…豪語するからには精々俺をがっかりさせるなよ、悪魔。( ふは )
盆ならば少しは休息も取られるようだが…残念ながらお前とは休暇の日程が合わないようだな。ああ、すまない。どうしても此方の都合を優先させて頂く形にはなるが、何卒よしなに。其方も私生活に合わせて、手隙の際にでも顔を出してくれればそれで良い。…幾らでも待ってやろう。
――この場で無ければ正直な思いも伝えられないからな。それに、こうしてアンタを照れさせるのも、案外面白い息抜きとなりそうだ。( クス )
…流石、下等悪魔とは違い理解が早くて助かるぜ。
(悪魔を繋ぎ止める枷として、未だ充分な役割を果たす魔法陣。それが現時点において双方の力の差を意味するものであれば、物事の見極めから判断に至るまで相手の利発さには感嘆を表し、白々しく言葉を紡いで。契約を認めさせる事で得た優越。その一方で、気紛れな悪魔の性分もまた熟知しているが故満悦の感に浸るのは不敵な笑みを形成するのみに留め、相手の望み通り速やかに魔法陣の破砕に取り掛かり。片掌を対象へ向け全神経を術の発動に集中させると、宙に散る魔力の露は忽ち苛烈な雷光へと変じて陣に幾多の亀裂を創り出し。その様は宛ら氷上を叩き割った際に刻まれる罅割れと同様、陣の円形が断裂されるにつれ悪魔を縛る強い魔力は消失の一途を辿り。今や燭台の灯火だけが薄ぼんやりと広間を照らす中、無惨に罅割れた陣により野放しとなった悪魔を密かな警戒色滲ませつつ対峙すると、何事も無かったかのような冷め冷めとした声音で己が望みを切り出し)
とある組織の殲滅――それが俺の願いでありお前を召喚した理由だ。集団を皆殺しに出来るだけの力が欲しい。……無論、それ相応の対価は払ってやる。お前の望みも、聞いておこうか。
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