悪魔 2016-07-30 21:15:58 |
通報 |
随分と自分の能力に自信があるようだな。その自惚れが命取りになるとも知らずに。…人間は、ともすると悪魔以上に醜いのだ。油断しているといつか俺のような大阿呆に足元を掬われるぜ。( 目伏し )
俺の方こそ。その謝罪をそっくりそのまま返却しよう。この夏は背後の都合により繁忙期のようで、元々遅筆という事もあり暫くこのように返事が遅延することがある。…連絡が遅くなり申し訳ない。お前との遣り取りは本当に楽しいから、こんな事を言うのは不本意ではあるが…ご了承の程、宜しく頼む。
気が合うとは嬉しい事を言ってくれる。良き親友を持った気分だ。――では、継続という形を取ろうか。俺としても雑談は気分転換にもなる上、少しでもお前と長く話しがしたい。( 直球 )
(束の間に訪れる重苦しい沈黙。張り詰め暗鬱とした空気が沈殿する地下室には相似つかわぬ程の煌びやかさを放つ魔法陣の中心にて、黒き人影が不意に動きを見せれば吊り上げた口角を引き結び好奇の眼差しを悪魔へ注いで。露わとなる艶やかな指爪が伸びる先には先程地に撒いた自身の血液が付着しており、それが悪魔の舌先により吟味される心地は実に複雑極まりないもので。面白味の無い鉄仮面も流石に不快感の滲む顔を極微かに歪め、居心地の悪さを紛らわすよう奥深く被せたフードを取り払い、気休め程度の解放感を得て。召喚から数分が経過するに連れ、次第に弱まる魔法陣からの光量。悪魔の冷笑からは一旦視線を外し、其れが消え切らぬうちにと懐からマッチを取り出し一度棒の先端に炎を灯してやれば、忽ち温かみを帯びた淡い暖色が質素な室内を彩り。其れを小さな机に据えた燭台へ点火させつつ、漸く二の句を紡いで)
愚問だな。アンタほどの高位悪魔の召喚に、仮初の血液を使用するとでも。――さあ、御託はこの辺で良いだろう。この俺と契約する気があるのか、無いのか。さっさと答えろ。
トピック検索 |