誰かの姉 2016-07-30 05:13:08 |
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幼い頃から身体が弱かった彼は、家と、病院と、学校の往復の毎日で、それ以外の世界をあまり知りませんでした。
なので、よく私に質問をしていました。
「姉さん、電車ってどうやって乗るの?」
「姉さんの学校はどんなところ?」
姉さん、姉さん、と私にくっ付きながら何でもかんでも不思議がる彼が、愛しくて愛しくて。
私は一つ一つの質問に対し、物語を話すように、彼に答えました。
そして、13歳の冬、彼は少しずつ変わっていたんだと、今になって思います。
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