（！）マフィアパロ
イタリア郊外の森の中。深い深い森の中にはイタリアの風景には似合わない日本式の屋敷が建っていた。屋敷は塀で囲まれているものの、門は木で出来ており、其処だけ見れば日本だと錯覚する様な見た目だ。
其処には刀剣男士と呼ばれる付喪神達と審神者、そしてそのお屋敷に勤めるお手伝いさん達が居た。
その者達はファミリーと呼ばれる、マフィアの人間。しかし、組織の名前は無く、裏社会ではジャパニーズマフィアと呼ばれていた。
マフィアと言えば争い等が思い浮かぶが、此処のお屋敷はまったりとした空気が流れている。
同時刻。お屋敷から車で一時間弱の所にも同じ様なお屋敷が建っていた。其処の上空には常に黒い雲が広がっており、所々建物には傷が付いていた。其処は俗に言うブラック本丸。独裁者の様に仕切っていた審神者が亡くなり、行き場を無くした付喪神達は荒れに荒れた。
二つの、本丸と呼ばれるお屋敷ををイタリア政府から任されている「政府」は、今現役で活動している本丸に審神者を失った刀剣男士達を移すことにした。
しかし、荒んだ心を持った刀剣男士達の半数はよく思わなかった。『どうせ、あの審神者と同じだろう』と。致命傷を中傷程度迄治された闇落刀剣男士達は、ある晴れた日、新たな本丸へと移ったのであった。
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