天ノ河 玉藻 2016-02-02 01:54:26 |
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今いる場所は、どうやら城壁の内側らしい。
周りには多くの植物が生い茂っていて、中にはこの季節にはまだ早すぎるようなものまで、まるで自然の摂理を無視したかのように生き生きと伸びていた。
一定間隔で立ち並ぶ木も、青々とした木の葉を茂らせている。
一体、ここはどうなっているんだろう?
まるで別世界にでもいるみたいだ。
いや、もしかするともう来てしまったのかもしれない。
「スティラさーん?」
「え?あ、はい」
ミミアさんに呼ばれて我に返る。
見れば、ミミアさんはもうかなり前方に進んでいた。
「すみません、ちょっと気になることがあって……。あの、ここは一体……」
「スティラさん、物事には気にしたら負けというものもあります。……わかりましたね?」
「は………はい」
ミミアさん、顔が近いです。
あと笑顔が怖い。
そんなこんなで改めて歩き始める。
そういえば、もう月の光が僕らを照らし始めていた。
……シャミは、何をしているのかな…。
「………」
…そして、僕はちゃんと帰れるんだろうか?
そんな不安と心配が、再び影を作った。
◇ ◇ ◇
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