ほ、ほんと…? (記憶を失っているはずの相手がまさかここまで自分のことを好意的に取ってくれるとは思わず、目を丸くして聞き返すとひどく幸せそうにはにかんでみせて。そのまま私服の話題で更に言葉を重ねようとしたものの、角を曲がったところで満開の桜が目に入れば思わず駆け出してから興奮気味に相手を振り返り「すごい、桜だよ守沢さん。俺、桜見るの今年で2回目なんだー」と普通ならば不可解に思われかねない言葉を口にし。)