加州清光 2015-11-15 21:35:33 |
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──…嫌だ。離れたくない。忘れないで、主。
(事が済み相手が寝入った後夜が更けても、ぼんやりと天井の染みを眺めるばかりでなかなか寝付けず。ふと身体を起こして隣の相手の寝顔に視線を移すとたちまち視界が滲んでいき、滴が頬を伝うと同時に蓋をして仕舞い込んでいた心の叫びが次々と零れていき。眠っている相手を起こさないよう嗚咽を無理やり抑え込むため、膝を抱えてそこに顔を埋めると静かに涙を流し続けるも、相手自身は記憶を失くしたところで温かい家族や大切な仲間、そして叶えたい大切な夢に囲まれた元の生活に戻るだけなのだと気がついて。おもむろに顔を上げて相手の顔の横にそっと手をつくと、覆い被さるようにして暫しの間唇を重ねてから「千秋がこの先ずっと、俺がいなくても、幸せでいられますように」と呟いて再び横になり、東の空が明るくなる頃には小さく寝息を立てており。)
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