ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
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「確信はないんだけどね、ここに来るまでに何匹かの魔物に遭遇したじゃない?
モリトの腕輪の色だったら1人で魔物と闘えるわけがないじゃない?
そりゃあモリトは強いわよ?それは知ってる。でも、ユーリちゃんは魔物が怖くなかったのかしら。怯えてる様子が全然なかった」
「そう言えばそうだな」
「それにね。キロルの谷間で落石があったじゃない。」
「そうそう!あれは危機一髪で助かったよな!」
ケントが思い出したかのようにそう言った。
「あれ…、偶然じゃないと思う。」
「どう言う事だ?」
「あの時私見たの。ユーリちゃんが何か呟いてるところを・・・。」
「呟くって何を」
「小さな声で一瞬だったけど、破壊の呪文だったような気がするのよ…。」
「まさかー?! 銅褐色で破壊の呪文なんか使えるかよ!リズの気のせいじゃね?」
ケントはそう言って疑っているが、ハロルドは黙ったまま何かを考えていた。
「ハロルドはどう思う?」
「俺も確信は無いんだけど、ユーリちゃんてさ、本当は俺達より年上なのかもしれない。
なんて言うか、時々ユーリちゃんの纏うオーラで身が引き締まる様な気がするんだ。」
「そっか?俺は何も感じないけどな~」
「ケントが鈍感なだけじゃないの?」
そう言ってリズはクスクスと笑った。
モリトとユーリは一体どこから来て、何者なのか。そして彼らはこれから何をしようとしているのか。ハロルド達には全く分からなかったが、今は信用をし、仲間として行動する事に異存はなかったのであった。
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