ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
通報 |
どこの国でも、どこの世界でも、冒険や旅行となるとそれなりの荷物が必要となる。バックパッカーでさえ大きなリュックを背負って旅をするのが基本だ。だが、モリトとユーリは他の4人と比べると明らかに荷物が少ない。
基本的に冒険者という者は、いつ、どんな災難が降りかかってくるか分からないので、準備は万全に整えている。薬草・回復薬・野宿をする時の為のテントなどを持ち歩いていた。細々とした物まであげればキリがないが、その荷物を運ぶために馬や召喚獣などといった動物を使う者が多い。
モリト達の場合は、以前ゲーム内でやったクエストの報酬として貰ったショルダーを愛用しているため、荷物らしい荷物を持っていない。
カバンの中に物を入れるとコマンドの中に納まり、取りだす時もコマンドを開いて操作をするだけでカバンの中から出てくる。という物だ。どんなに大きな物でも出し入れは自由なのだ。分かり易く説明をするなら、ドラえもんの四次元ポケットと同じような物だと思って欲しい。
そんな姿を不審に思ったのか、モリト達と別れてから4人で部屋に集まった時に、愚痴を言うかのようにアンズが話し出した。
「あの人達って、あんな軽装で本当に旅に行くつもりなの?あのレベルじゃお金だってそんなに持ってなさそうだしぃ。もしかして、私達にたかろうとか考えてたりしてぇ~」
「「「 それは無いな(わね)。」」」
三人が声をそろえて言った。
「なんでそう思うのよ!? 」
「・・・・・・、何となく・・・・、かな?」
「・・・・、だな。」
「・・・、そうね・・・・。」
「何よ!なによ!みんなして!! 私にも分かるように説明してよ!」
説明をしろと言われても、詮索はしない約束をしている。それに、物腰や言動からみて、とても初心者には見えない。スワンでの事もあるので、信用をしても良い人物という認識しか今は無いのである。
1人だけ蚊帳の外の様な気分を味わったアンズは、「ちょっと出かけてくる!」と言って部屋から出て行ってしまったのだった。
トピック検索 |