ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
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食事の終わった者達から次々にと霧の森へと向かって歩いて行く様子が窓越しに見える。自分達も後れを取ってはいけないと、早々と支度をし、出発の準備をした。
ユーリは村の入り口まで付いて行き、モリト達四人を見送った後、1人で村の周囲を回り、もしも魔物がこの村にやって来た時の場合を考えて、魔法陣による罠をあちこちに仕掛けて置いた。
ひと仕事をし終わったユーリは、昨日出来なかった洗濯をし、旅に必要な物の補充作業を行うと、後はもう何もする事が無くなってしまった。今日の様な良い天気の日に部屋でくすぶっているのが勿体ない。そう思わせるような快晴であった。
「さてと・・・。みんなが帰って来るまで何してよっかなぁ~」
そこへ宿屋の女将がユーリに話しかけてきた。
「ちょうど良かったわ、ユーリちゃん。うちの娘のお古だけど、ユーリちゃんに似合うと思うのよ「コレ」、来てみないかい?」
そう言って差し出した手に持っていた服は、ゴシック調のフリルが沢山ついた、いわゆるゴスロリと言う服であった。色は黒で、ユーリは入院中から一度は着てみたいと思っていた服である。
大喜びでその服を貰い受け、着替える事にした。ユーリがたいそう気に入っていたので、女将は他の服もユーリに渡すと、着せ替え人形の様に次々にと着替えて女将に見せに来る。その光景を女将と亭主は目を細めながらニコニコとしながら見ていたのだった。
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