ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
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二人分の空席があるテーブルに、女将はモリト達を案内すると、「お客さん。この人達と相席でも構わないかい?」そう話しかけられた人達は、「俺達は構わないよ。もう食べ終わるしな」。
相席を快く承知してくれたその人達も、どうやら魔物退治のイベントに参加するようであった。会話の中でフォーメーションがどうのとか、持ち物の確認とかの話しが出てきていたからだ。
「なぁ、ユーリ」
「何?」
「今日は村に残っててくれないか?何か嫌な予感がするんだ・・・・。」
「その意見には私も賛成よ。私も嫌な予感がするのよね」
こう言う時の2人の感は当たる。動物的直感と言ってもいいほどよく当たるのだ。その話を聞いていた相席者たちは、
「もしかして、君もゴブリン退治に行くのかい?でも君は・・・・」
そう言いながら彼は、視線を腕に装備している腕輪に向けられていた。
「あっ。これですか?腕輪は銅褐色ですけど、剣の腕には少しは自信があるんですよ」
にこやかに答えるモリトだった。
「でも一人じゃ危険だろ? 君さえ良かったら俺達のチームに入らないか?」
「いいんですか?! それならお言葉に甘えて入れてもらおうかな」
仲間に入れてもらったそのメンバーは、リーダーであろうと思われる男性が剣士で、腕輪の色は《水色》、一番お喋りで軽そうな男性がアーチャー(弓使い)、腕輪の色は《緑》だ。最後の1人が女性で魔法使い。気の弱そうな外見はしてるが一番のしっかり者らしい。
三人の風貌から見た感じ、モリトと同年代の様に見える。歳も近いという事もあるのか、モリトはあっという間にその三人に溶け込んでいったのだった。
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