ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
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「何をそんなに慌ててるの?モリトは明日霧の森に行くんでしょ?なら、床になんかに寝て疲れを残しちゃダメよ。私なら大丈夫よ?これでも寝相は良い方なんだから」
屈託なく笑うその笑顔にモリトは、自分がどれだけ世間の穢れに侵されていたのかと、少し自己嫌悪に陥ってしまった。
良く考えれば、ユーリは8年間無菌培養室の中のような所に居た人だ。俺達生身の男が、女の子と二人っきりという状況で何を考えているのかと言う事など、想像もしていないんだろうな…。と、改めて感じたのであった。
そう。ユーリが知っている異性とは、病院の医師か入院する以前、小学生の時の同級生男子くらいだろう。いまだに俺の事もその小学生男子と同じレベルで見ているんだろうな…。と、漠然と思ったのだった。
まぁ、ユーリは見た目がアレなので、ロリコンではない限り平常心を保てそうだと自分に言い聞かせて、少し落ち着きを取り戻すのであった。
― 2話 完
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