ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
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部屋に通された二人はボー然とした。なぜなら、ベッドが1つしかなかったからだ。宿屋の女将さんは「今日はもう、1人部屋しか残ってないのよ。二人で寝るにはちょっと狭いかもしれないけど我慢してちょうだいね」と。
部屋の入り口にたたずみ、窓の側にあるベッドを見ながら、ユーリは力なく笑った。
「アハ・・・アハハハ…」
「俺は床で寝るよ。ベッドはユーリが使いなよ」
いくら設定上兄妹だとは言っても、本物の兄妹ではない。それに、いくら見た目が子供のようでも、ユーリはモリトより年上だ。それらを除いたとしても、女の子を床に寝せるわけにはいかないと思ったのだろう。だが、ユーリからは意外な答えが返ってきた。
「別にいいわよ?同じベッドでも」
「へっ?」
一瞬、ユーリが何を言ったのか理解できなかったが、冷静になって考えてみるとユーリがとんでもない発言をした事に気が付いた。
「いやいやいや!ちょっと落ち着きましょう、ユーリさん!自分が何を言ったか分かってます?理解してます?」
思わずユーリとのベッドシーンを妄想してしまったモリトは、思考回路がぶっ飛び、頭から湯気が出そうなほど顔を真っ赤にしながら慌てふためいた。
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