ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
通報 |
王都に行くまでにいくつかの村や町を通らなければならない。途中ダンジョンを通らなければならない所もある。徒歩で移動するとなると非常に面倒くさい地形に二人は居た。
しばらく歩くとスワンの村が見えてきた。
「やっとスワンの村が見えて来たわね、お兄ちゃんw」
「まだあの事を根に持ってるのかよ…。」
「あの事」というのは、アクシリアの町での出来事だった。自分達と同じく取り残された人が居ないか調べていた時に、いつもの様にユーリが指示を出し、モリトがそれに従い行動していた時の事。その様子を見ていた町の(元)モブの人がユーリに注意をしたのだ。
「こらこら、お嬢ちゃん。そんなにお兄ちゃんを顎で使っちゃいけないよ。年上の人は敬わないといけないって親から習わなかったのかぃ?」
ユーリはキョトンとした顔をしていたが、モリトは爆笑してしまった。
「ちょっと!モリト!何そんなに笑ってるのよ!」
「あははは、だってさ…クックックック…」笑いが止まらないようだ。
「ほらまた。言った先から何だい?! 妹がお兄ちゃんにそんな口きいたらダメだろ」
モリトは更に笑い転げ、ユーリは顔に縦線が入るほどに落ち込んだ。
「妹じゃないし・・・・。」ボソリと呟く。
落ち込んでるユーリを見たモリトは、ユーリの頭に手を置き、髪をくしゃくしゃとするように撫でながら「ユーリ、おばちゃんの言う通りだぞ?お兄ちゃんを敬いたまへ」笑ながらそう言うと、ユーリはモリトの方をキッと睨み、とても悔しそうな顔をしていたのだった。
「まぁ。あの時はしかたが無かったよな。…うん。」
「もう!その話はお終いよ!」
ユーリは少し頬を膨らませながら叫ぶのであった。
トピック検索 |