YUKI 2015-09-05 09:08:35 |
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少し離れたところで、タオルケットにくるまって眠っている葉月を見つけると、水凪はクスっと笑いながらそんな葉月を優しく見つめた。
普段は呆れていたり、怒っていたりとなかなか隙のない葉月が、こんなにも近くで無謀備に眠っている様子が水凪はどこかいとおしく感じた。
不意に手元に柔らかなものが触れ、我にかえり目をやると子猫が水凪の手元に擦りよっていた。
こんなにも暖かく優しい感触に水凪は久しく触れていなかった。
この子猫はあの日、菖蒲君とともにあの公園に行かなければ会えなかっただろう。
菖蒲君と出会ってからの日々はとても暖かくて木漏れ日のような毎日に感じる。
そう、暖かい太陽が優しく木の葉を通して、僕に触れているそんな感覚だ。
そうだ、この子猫の名前は、と子猫を優しく撫でたその時に、「・・っ・ん・・あれ、俺、寝てしまったのか」と葉月が朧気な意識のまま、ゆっくりと起きあがった。
その様子を見て「おはようございます。菖蒲君」と水凪はいつもと変わらない暢気な顔をして、葉月を見つめ言う。
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