ローザネーラ 2015-08-25 23:30:03 |
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>チェルシー
唯一、か。…良い響きだ。互いに唯一、嗚呼…悪くない。お前の唯一の存在になろう。
(溢れゆく言葉の数々のひとかけらに記憶が蘇る唯一の存在。以前は拒まれたその唯一、相手はもちろんのこと自身にとってもその言葉は重要なもの。願うその思いを一句たりとも逃さずに僅か相槌打ちながら聞き入れては、その大切な言葉を口にして。今まで靄のかかっていた気持ちがスッと引き途方もない暗闇の世界から光が差し、手を差し伸べられたような感覚で温かな手のぬくもり感じるも感情が溢れ涙が手の甲に滲むほんのり冷たく、相手の心境が伝わってかギュっと心臓が締め付けられどこか切なげな瞳で言葉続け。互いに唯一の存在になるならばそれは命を終えるまで、そう捉えるのが普通だが人と吸血鬼の寿命では漸く心許せる仲になろうとも別れは時期に訪れる。永遠に、不死身とまでいかないが出来る限り永く、そう思う気持ちから包まれた手を解いて両手頬に添え、親指腹で溢れる涙拭いとっては初めて口にする事となるその意味は自ら血を与え人をハーフヴァンパイアへと変えるもので。揺らぐことのないその瞳は真っ直ぐ相手捉え不安めいたものは無く、それでいて柔らかく最後に己なりの優しさを添えて。)
…なにを謝る、お前の想いは受け取った。だが俺は吸血鬼、唯一となれば永い方が良い。俺の血を与えよう、今すぐに。……、と言いたいところだが人も悪くない事を知ったからな。無理強いはさせないつもりだ、考える時間をやろう。
>ヴィオリカ
俺はあの場が性に合わない。…お前なら臆せず渡り歩けると思っていたが。まあ、隣で愛想よくしておけば後は俺がなんとかするとしよう。
(思いのほか少々渋る様子が見られ己の見当違いだったかと僅か間を置き考えるも、すぐに拒否されることもなかった為ここはひとつ押してみようと言葉続け。とはいえやんわりとした言い方は性格上無理な話で、悪意はないにしろやや棘を含む結果となったが気付くわけもなく至って普通。次いで女性なら煌びやかなモノを好む習性、不確かな知識で再度誘い文句を続けて。)
嗚呼、お前にしか頼めない事だヴィオリカ。それに挨拶が済んだあとはディナーでも酒でも好きにするといい。
>ジェルド
嗚呼、言い忘れていました。この者の身体は不死身、貴女の……、…前いた人間のように死ぬことはないでしょう。
(料理が並び終われば己と夫人にはワインが注がれ未成年である彼のグラスには赤い血を。ツンと鼻をつく生臭いそれは相手にとっては戸惑うものと見越してか夫人を気にしつつやや上体を前のめりに「既にお前のことを息子だと認知している。面倒ごとは起こすな」と囁き釘を刺して。夫人の息子となれば吸血鬼、口に出さずとも話を合わせろと。乾杯の号令を夫人が口にしたあと流暢な仕草で肉をきり口に運び、正面には相手その横の夫人は食事に手をつけることもなく青白い顔を紅潮させジッと相手を見つめており。ナプキンで口元拭い彼の珍しい特徴を口にして昔死んだ息子、その言葉は禁句だと他の身内からよく聞いていたため、そう続く言葉を飲み込みなんなく逃れれば内心やれやれと肩の力を抜いて。)
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