三男 2015-08-18 20:59:32 |
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えーと、俺は二回位守らなかったよ。小学校の自由研究で。
(優秀で利発な弟の風上にも置けない事実を、苦笑混じりに正直に伝え「絵を描くのが上手くいかなくて。」と理由まで付け加え。頬杖をついて弟が数式や過程の計算式を書いては次々と解答を埋め、丸つけまでこなしていく様を邪魔しないよう黙って眺めて。来年から塾にでも行かせてあげるべきかとふと思い、卒業後の進路について本音を聞きたくなり「ねぇ。錦は卒業したら何処行きたい?」とポツリと尋ね。)
>錦くん
そうだったっけねぇ。あの後俺も寝ちゃって、兄さんと姉さんが布団を掛けてくれていたよ。
(懐かしく温かいあの頃がありありと思い出され、ひよこ豆の様な兄と姉と、次女の三人で代わる代わる面倒を見ながらたまに喧嘩もしていた事が今では可笑しく思えてクツクツ笑い出し。更に記憶は遡り、弟が生まれた日にどれだけ皆が喜んだか迄も浮かび「取り合いしてたね、うん。」と頷き。今も本が好きならばと思い立ったのが「湊、本を書いてみたらどうだい。」で。無論手伝いは有難く、「よし、男料理で勝負しよう。」と受け入れてキッチンへ方向転換。)
>湊
本当の本当。迎えに来るその日をー……。
(髪に触れていた手を離し、機嫌が直った妹のよく通る声に耳を傾けていると口をもぞもぞ動かして数オクターブ低い音程で一緒に歌い出し。彼女に恋人が出来るのはいずれか来る自然の理だが、同時に少し寂しくもあり歌いながら僅かに困り笑顔を浮かべ。密着してきた妹の肩を優しく撫でながら思いついたのは近所の公園で花火をする事。「明日買って帰るよ、いっぱい入っているのをね。」と告げて忘れまいと胸に刻み。)
>花ちゃん
そんな風には思っていないよ。腕相撲しても勝てない自信あるしね。
(滅多に不服の言葉を口にしない控えめな妹が、なんの因果か不貞腐れてしまった事に苦笑を零し事実とは異なる事を示そうとゆるりと頭振り。相手は水泳部のエースにして長身、対して帰宅部の中背とくれば勝敗は明らかで冗談も含めて「睡ちゃんには一生勝てなさそう。」と付け加え。長女への想像に同意の頷き一つして、冷蔵庫の野菜室を開き後は彼女の腕前に甘える事にして「よろしくして良い?」と微笑を浮かべ。しゃがみ込み隣で中身を一つ一つ手渡す役割を担おうとスタンバイ。)
>睡ちゃん
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