ぬし。 2015-07-22 13:29:16 |
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world
__何時、何処かも分からない夜に包まれた世界。
そこには3つの領地とひとつの林檎園が存在し、各々が互いに牽制し合っていた。
*宵の森
北部に位置する、数歩先すら見えない程に霧の立ち込めた森。木々は生い繁り、人々の行く手を阻む様に薔薇の蔓が伸びる。森を抜けた先の更に北部には古びた城が聳え、森の領主が住むとされるその城は年季の入った外観に相応しく内装も豪華な造りとなっている。
*鏡の湖
月の光が眩しい透き通った湖。東部に位置し、周辺にはその神聖さを護るように白い花が咲き誇る。水底で眠る様に沈んだ宮殿は月が雲に隠れた時のみ見る事が出来、湖の領主が住んでいる。宮殿からは時折歌声が響き、魚達を慰めているという噂も。
*朱の社
西部に位置する、朱に染まった社。緩やかな傾斜となっている道筋は延々と石段が続き、提灯が提げられた紅い鳥居が立ち並ぶ。石段を登り切った先、一際大きな鳥居を潜った先にある木造の朱色の社は荘厳であり、其処の領主が住み着いている。
*林檎園
三領土の中央部に位置する小さな林檎園。此処は不可侵領域であり、形式上は争いが禁じられている。何本も生えた樹のうち一本だけが五百年に一度黄金の林檎を実らせ、口にした者の望みを叶えるといわれている。林檎園の領主は木々に囲まれた小さな小屋に住み、三領主の狙う黄金の林檎を護る役割を担っている。
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