『たすけてあげてね』 刹那、ゾクッという悪寒とともに、頭に声が響く。そして、少女が襲われている様子に似た、記憶の中にあった映像が頭の中にうつしだされる。 「(思いだすなッ思い出すなッ思い出すなッ!!)」 その場に立ち止まり頭を抑え、必死にその映像と声をかきけそうとする。自分にとってこんな記憶は必要ないのだ。