主 2015-07-07 22:04:40 |
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>シキ
( Ruin )
(興味本意で階段を上ってきたは良いが、階上からは何とも表現し得ない異様な雰囲気が流れてきており。良からぬ予想が脳裏を過り、階段を上るにつれ大きくなる物音がその憶測の現実味を一層引き立て。いよいよ辿り着く頃には激しくぶつかり合う音や複数の人間の息遣いが間近に聞こえ、威圧感にも似た殺伐とした雰囲気が空気を伝って階段を上りきる事を躊躇させ。そのまま引き返してしまえば良かったのだが一度踏み出した足は後退する事無く、終に最後の一段に足を掛けその頃には既に目の前に広がる凡そ現実とは思えない光景に瞠目し。一体この短時間で何が起こったと言うのか。毒々しい赤が床を汚し異臭が立ち込める上、明らかに普通じゃない男達に相手が囲まれている状況はただならぬ切迫感を駆り立て、己の愚行を今更後悔するが言うまでも無く手遅れであり。それでもまだ彼らの注意は此方へ向いていない。此処に居ればどちらにせよ相手の負担になってしまうのが関の山、一先ず立ち去ろうと後ろへ一歩退くが不運にも硝子の破片を踏む音は周囲に小気味良く響き渡り。不味い。そう思う暇も無く、相手を取り囲んでいた男の一人と目が合い。その狂気に満ちた視線に絡め取られた刹那、本能的に逃げようと試みるが体が全くもって動かず男から視線を逸らす事さえできずにいて。男は勢いよく此方へ飛び掛かって来るが、その瞬間がまるでスローモーションのように引き伸ばされ遅延したように見え思わず息を飲み声すら出ず)
>春蘭
( Ruin )
…生憎たった今危害を加えてきた奴の言葉を簡単に信じる程お人好しじゃねぇんだよ。
(相手から端的な情報を得る程疑問は深まるばかりだが、どちらにせよKneipeから脱した人間である事には変わり無い。更に言えば、相手にはこんな環境でも生きていける程の技量があったと言う事。それを逆恨みしたところで無い物ねだりとしか言い様が無く、頭では理解していても行き場の無い怒りが胸中でぐるぐると渦巻いており。こんな気持ちを抱いている自分への嫌悪が止まず、それも相俟って隙あらば逃げ出そうと考えていたのだが気配を察したらしい相手に腕を掴まれその素早さにびくっと肩を揺らし。相手の表情に貼り付いた笑みは宛ら繕ったようで、発せられる言葉さえ己を陥れる物にしか聞こえない。無論そんな言葉を信用し気を緩めるはずも無く低い声で警戒心を滲ませながら言葉を返すが、その手を振り払うには己の力では及ばず先程が芽生えていた恐怖心が増幅するのを感じながらも一度抵抗を止めその場で身を固くし)
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