ハナミズキ 2015-06-19 22:03:00 |
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仮説を話し終えた龍神刀は、気を集中させ、大気を読んだ。龍神刀の結論によれば、この世界は地球とさほど変わらないが、重力が違うらしい。地球の10分の1だと言う。桃華の体重が46㎏だとすれば、ここでの体感重量は4・6㎏だ。・・・・赤子の体重である。その話を聞いた桃華は、飛び跳ねるのは極力避けようと考えた。では、他の事はどうなのだろうか。桃華は試しに、道端に落ちている小石に手を伸ばし、それを投げてみた。・・・・軽いのでよく飛んだ。軽く100mは飛んだだろうか。次に、近くに生えている木に、趣味で習っていた空手の技である蹴りを入れてみる。・・・・折れた。感触的にはベニヤ板を割っているようだった。
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この世界では迂闊に騒ぎを起こせないと言う事だ。ただでさえここの住人より10倍の体力がある。それに、武術をたしなんでいるとなれば、ひとたび乱闘騒ぎなど起こしたら死人が出ると言う事だ。桃華は、これから先、慎重に行動をしようと心に固く誓ったのであった。
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